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2015年2月4日


日刊木材新聞に保有水平耐力計算セミナーに関する記事が掲載されました

2015年2月4日 日刊木材新聞(2面)
保有水平耐力計算による耐震診断提案
非住宅建築物の評価に活用を インテグラル

日木_保有水平耐力計算による耐震診断提案 インテグラル_150204  インテグラル(茨城県つくば市、柳澤泰男社長)は、1月27日に東京・秋葉原のUDXギャラリーネクストで大橋好光東京都市大学教授を迎えて「ホームズ君 すまいの安心フォーラム」を開催、約70人が参加した。今回は、耐震診断ソフトに保有水平耐力計算機能を追加し、非住宅木造建築物の耐震診断の方法などをテーマに開かれた。

 同社は大橋教授の指導を受けてホームズ君耐震診断プロに保有水平耐力計算オプションを開発した。日本建築防災協会の精密診断法2の層の荷重変型に基づいて保有水平耐力を求めるソフトとして開発された。
 非住宅木造の大スパンや高い階高(最高5メートル)に対応できる。大橋教授は建防協の耐震診断では12年の改訂で非住宅の部分も記載を加えていること、非線形の荷重変型なども考慮する必要があり、保有水平耐力計算を行う前提として許容応力度計算を実施することが必要なことなど課題も示した。
 層の荷重変型は剛床か柔床で異なり、これを分けて考えることや接合部や劣化などによる低減係数の考え方も説明した。
 今回は耐力壁形式の建物を想定しての診断法で、軸構造形式の体育館やK型ブレースなどは盛り込まなかった。まだプログラムとしては改良の余地があることや、プログラムの適用範囲や限界を理解して使うことが大事との考えを示した。
 柳澤社長は阪神大震災から20年が経ち、直近では長野県白馬村でも大きな地震があった。10数年前から耐震ソフトを提供しており、耐震診断は普及してきたものの耐震補強は進んでいない。2000年の建築基準法の改正で耐力壁のバランス良い配置や接合金物の使用個所の規定などで耐震性は確保できるようになってきたことなどを説明した。
 「私は水平構面を堅くすることが大事と考えている。今回のソフトは大橋教授に相談し、何度も発売時期を延期しながら開発し、ようやくリリースできたが、まだ盛り込みたい内容が残っている」とユーザーともにソフト開発を進めていきたい考えを示した。
 木村良行氏(同社営業企画部)は、保育園の耐震診断の事例をもとに説明し、耐震補強はまず水平構面を固くして剛床とすることで評価が上がる。野地板を構造用合板にする、火打ち土台を入れるなどの対策は評価できる。ワンランク上の詳細計算法で差別化できることなどを解説した。