日本経済新聞 2010/06/23 首都圏経済・茨城版より
システム開発のインテグラル(つくば市、柳澤泰男社長)は、住宅の点検や補修の履歴をインターネット上で管理する システムを開発した。工務店向けを中心にサービスの提供を始めた。工務店が補修履歴が分かる住宅データベースを持つことで、住宅所有者などの顧客サービス を高めることができる。
システム名は「マイホーム履歴書」。サービスの利用料は工務店の場合、1棟あたり年間5000円から6000円前後。インテグラルの得意先である工務店を中心に営業する。
工務店がシステムを利用する場合、顧客の住宅の点検やメンテナンスの計画や施工情報などをネット上で管理できる。工務店だけでなく、住宅所有者が個人で情 報を登録することも可能だ。設計や構造情報、住宅の外観写真などの項目を工務店などが自由に設定できる。
利用者はまずインテグラルから個別IDを発行してもらい、データベースに住宅情報を登録。住宅の点検や補修時に改めて、情報を更新して履歴を作成する。イ ンターネットが接続できる環境があれば、工務店や住宅の所有者が遠隔地にいても情報を閲覧や変更ができる。設計図や契約書などの書類をパソコンで取り込 み、データベースの中に登録も可能という。
国土交通省は耐震や省エネの性能に優れた長寿命住宅「長期優良住宅」を対象にした助成措置を始めている。リフォーム履歴の保管などが助成条件となっており、住宅の補修履歴を管理する需要は高まると見ている。
インテグラルは1986年設立。耐震診断や住宅設計のソフトやシステムなど住宅業界向けの商品が主力だ。