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2022年12月22日


日刊木材新聞に弊社セミナーに関する記事が掲載されました

4号特例縮小で構造審査の確認方法を解説

大橋・坂本両名誉教授が講演

2022年12月22日(木)日刊木材新聞(4面)

インテグラル(茨城県つくば市、藤間明美社長)は8日、「大橋好光先生・坂本雄三先生特別講演」で、脱炭素社会に向けた住宅の耐震と省エネをテーマにしたセミナーを対面とオンラインのハイブリッド方式で開催し、オンラインでは650人以上が申し込んだ。

4号特例縮小で構造審査の確認方法を解説

セミナーの冒頭で柳澤泰男インテグラル会長が、10月1日に藤間明美氏が社長に就任し、自身は会長として商品開発に力を注ぐことを報告。昨年35周年を迎え、コーポレートコピーとして「知を分かち合い未来へつなぐ、自然とともに、人とともに」を定めたこと、専門家の知見の橋渡し役として知の共有、直感的に使えるソフト、ユーザーの要望に向き合い、知識、技術、工夫をしていくことなどを述べた。
藤間社長は「木造住宅、木造建築での脱炭素化を大きなテーマとして取り組んでいきたい」とあいさつした。

セミナーでは木村良行インテグラル営業企画部チーフマネージャーが「脱炭素社会の実現に資する建築のエネルギー消費性能向上に関する法律の一部を改正する法律」が成立し、2025年4月から4号特例の縮小が盛り込まれていることについて解説した。

建築基準法6条第1項の建築確認審査の対象となる建築物の規模について、構造審査の省略が可能な部分(4号)が現在の2階建て以下、延べ床面積500平方メートル以下から、平屋で200平方メートル以下に縮小される(新3号)。
新2号建築物(2階建て以上、または延べ床面積200平方メートル超)に関しては荷重の実態に応じて算定した必要壁量、必要壁量法(簡易法)、構造計算(許容応力度設計)の3通りの方法がある。▽荷重の実態に即した計算では準耐力壁の考慮、高耐力壁(7倍相当)まで許容する内容▽必要壁量法では従来の「軽い屋根」「重い屋根」に加えて「ZEH」(太陽光発電パネルを搭載するので重くなる)を追加する簡易計算法。構造計算をする場合は必要壁量の確認を必要としない▽簡易計算法では2階建ての1階部分が「軽い屋根」の場合、必要壁量29、「重い屋根」では33が「ZEH」では53になるーーなど改正案について解説した。

大橋好光東京都市大学名誉教授は、今回の法改正はZEHにより重量化が進むことを前提に見直したことと、建築基準法と品確法の性能表示制度の評価方法の整合性を図る方法にあるが、軸組工法での多雪地域や床倍率の考え方が盛り込まれていないとコメント。従来の建築基準法「重い屋根」に比べて「ZEH」は壁量が1.66倍も必要になる。仕様規定と構造計算の関係を正常化し、構造計算への誘導していると話した。
坂本雄三東京大学名誉教授は「良い暮らしの実現」と「省エネ・脱酸素への貢献」をテーマに話し、建材、住宅設備が近年急速に進化して省エネ性能のボトムアップが進んでいること。30年の脱炭素化の目標に向けては既存住宅の省エネ性能を高めていくことが大切だと述べた。