25年法改正対応を解説
~構造・省エネをポイントに~
2023年8月28日(月)日刊木材新聞(2面)
インテグラル(茨城県つくば市、藤間明美社長)はさきごろ、オンラインで「2025年法改正対策」セミナーを開いた。4号特例見直しや省エネ基準適合化への流れを説明し、同社ソフトを使った対応策を示した。
同社の木村良行部長は「2025年法改正対策」として、構造面では4号特例縮小で構造審査省略が一部を残して省略されなくなり、必要な設計図書も4分割法や、N値計算書、壁量計算書などと省エネ関係の図書も添付が必要になること。ZEHなどの重量化で必要壁量も建物荷重によって精緻に計算する方法と簡易法、構造計算の3通りになる。屋根の区分では、「軽い屋根」「重い屋根」に「ZEH水準の屋根」が加わり多雪地区の基準も示されたことなどを解説した。
同社営業企画部の松﨑正裕氏は「30分でわかる壁量計算」と題し、従来方式(ZEH壁、多雪区域など追加)、新方式(荷重実態に応じて算定する)、構造計算の3通りの方法があると解説。従来方式は壁倍率5倍まで、46条の壁量計算は必要、準耐力壁などを考慮しないが計算は簡易。新方式では壁倍率は7倍まで、46条の壁量計算は必要、準耐力壁を考慮し、計算は簡易。構造計算(許容応力度計算)は、壁倍率7倍、46条の壁量計算を除外、準耐力壁を考慮、計算は難易度が高いなどと説明した。さらにZEH水準の屋根の場合は柱小径の基準などが厳しくなり、許容応力度計算で柱の座屈検定をした方が有利になることを解説した。
藤間社長は、25年の省エネ基準適合義務化について、外皮計算と一次エネルギー消費量(BEI)が必要になる。国は25年には断熱等級4、30年には同5を目指しており、ある試算(22年)では断熱等級4で160万円、同5で186万円、同6で260万円、同7で490万円のコスト増になる。エネルギーコストの上昇を考えると、同6以上の性能は欲しいが、同6と同7の間のコスト差が230万円もあり、断熱等級6.5やHEAT20のG2.5 というレベルを求める動きもあることに触れた。
また、同社のソフトホームズ君「省エネ診断エキスパート」では外皮計算と一次エネルギー消費量の計算をシームレスに行き来し、外皮と設備のどちらで性能を上げるかを考える。性能規定を生かし、プランや建築的な工夫として外付けブラインド、軒、庇なども評価できることを説明した。