2022年4月14日(木)日刊木材新聞(8面)
HEAT20のシステム認証に対応
性能等級5、6、7へも
株式会社インテグラル(茨城県つくば市、柳澤泰男社長)は、3月14日に「住宅性能診断士ホームズ君省エネ診断エキスパート」をVer4.23にし、HEAT20の住宅シナリオのルート2のシステム認証に対応。4月5日にはVer4.24で断熱等性能等級5、6、7及び一次エネルギー消費量等級6に対応できるようバージョンアップした。
同社では、20年先を見据えた日本の高断熱住宅研究会(HEAT20、坂本雄三理事長)に会員として参加し、戸建て住宅の適切な高断熱化の推進、普及のためにHEAT20のG1、G2、G3レベルの住宅シナリオに適合する住宅システムの認証開始に当たり、省エネ診断エキスパートをバージョンアップした。
HEAT20の住宅シナリオは、環境の質を表す室温(ノンエナジーベネフィット)と省エネ(エナジーベネフィット)を評価する。申請する住宅会社は建設する地域などを選定し、住宅外皮の仕様、熱的性能の計算を行う。ルート1では、外皮性能水準地域補正ツールを用い、Ua値で評価。ルート2では、省エネ診断エキスパートの住宅シナリオ計算書出力機能を使い、申請書を作成できるようにした。
さらに4月1日から住宅性能表示制度が改定。断熱等性能等級5、一次エネルギー消費量等級6が新設され、10月には断熱等性能等級6、7が導入されることにもいち早く対応し、バージョンアップをした。
HEAT20は、あくまでも民間で定めた基準ではあるが、施主もHEAT20のG1、G2などを認知しているケースが増え、住宅会社が施主に対して自社住宅の省エネ性能を伝えるのには有効なツールとなっている。「HEAT20システム認証は、民間の形式認証のような制度で、個々にはプランごとに丁寧に説明していくことが必要かもしれない」(同社)。
HEAT20のG1~3と性能表示制度の断熱等性能等級について、分かりやすいユーチューブ動画を製作して公開していく予定。
先般の東北での地震被害により東京でもブラックアウトする危険性が高まったことやロシアのウクライナ侵攻による天然ガスの供給問題などエネルギーに関する一般の関心は高まっていることにも対応し、同社では4月20日に緊急セミナー「HEAT20の評価指標セミナー」を開催することにした。
藤間明美専務執行役員は、「省エネ性能に関しては、工務店も先進的な取り組みをしているところが増え、気密測定やサーモカメラを使っての自社施工品質の管理や工務店同士の情報共有などを進めている。ただ、G3レベルになると付加断熱が必要になり、壁の収まりが複雑化し、施工面でも難しさが増してくるように思う」と話している。