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2011年4月8日


以前に行った耐震診断と東日本大震災による地震被害

弊社は、耐震診断を行うソフトウェア『ホームズ君耐震診断Pro』を開発・販売しております。このソフトウェアの教科書となっているのは、2004年に改定された日本建築防災協会発行の”木造住宅の耐震診断と補強方法”、いわゆる青本とよばれる図書です。この図書の診断基準となっている地震は、”極めて稀に発生する大地震”となっており、震度でいえば6強~7を想定しています。 今回の地震は、つくば市は震度6弱ということで、前述の図書の想定震度には及ばず幸いでしたが、それでも非常に大きな値を観測したため、同市内の過去の診断結果を調査しました。今回、急ぎ調査したのは、そのうち、次の2件です。 イ)I邸(つくば市高崎) 上部構造評点 0.20(一般診断)    建築年:明治ごろ 伝統的構法、瓦葺の重い建物、土塗り壁 ロ)O邸(つくば市城山) 上部構造評点 0.44(一般診断)    建築年:1977年  在来軸組構法、重い建物、モルタル塗り壁 結論から言いますと、イ)ロ)ともに、外部からわかる建物被害は全くありませんでした。 また、周辺の建物も同様に被害がありませんでした。被害がなくて何よりでした。 一方、市内の同じ震度を記録していた他の地区では、瓦屋根の損傷やブロック塀の倒壊、屋内の家具転倒などの被害が多数ありました。この差は何なのでしょうか。 (参考:つくば市内の被害状況 建物半壊 7件 家屋一部損壊1772件 塀損壊849件 ) 推測としては、上記2物件の所在している2地区は、震度計発表の震度6弱までは揺れなかったのではないかということです。設置基準点での震度が、すなわち、その地区の平均的な揺れ方を示すのではなく、地層・地盤などの関係で、かなりのばらつきが出ていると思われます。 今後も、調査を進め、続報をお伝えしてまいります。