新・開発センター 完成見学会開催(9/16,17)
9/16,17に、インテグラルの新・開発センターの完成見学会を実施いたしました。
弊社ソフトのユーザーである建築設計者や工務店関係者をはじめ、学識経験者の先生方に多数ご来場いただきました。
見学会では、弊社の”つくば木造・木質化エコプロジェクト”の概要と成果について発表した上で、社屋内外を見学していただきました。
みなさんは、弊社に到着されるなり、開口一番、
”木質感、あふれてますね!”
”公園内で、非常によい立地ですね!”と口々にご感想を述べられました。
そして、お手持ちのカメラでシャッターがバンバン切られていきます。
主催者としては、かなり嬉しい反応です。
室内についても、
”いやー、気持ち良さそうだね、家より居心地がいいんじゃないの?”
という質問もお受けしました。
第一声の後は、部材や構造上のご質問が次々と。木造を長年、経験されてきている方ばかりなので、質問は、かなり詳細かつ専門的な内容でした。
そして、スタッフが一番、緊張したのは、2日目の1回目。
東京大学大学院農学生命科学研究科木質材料学研究室の稲山正弘准教授にご来場いただきました。
何人かのスタッフは以前より面識がありましたが、こうして、弊社に来社されたのは、初めて。どのようなコメントをいただけるのか、スタッフの緊張は最高潮となりました。
稲山正弘先生のコメントは、以下のような内容でした。
「住宅用の流通材は6mしかなく、8.5mのスパンを実現するのは技術的にも難しく、そのためにコストアップしてしまします。
この建物でも該当しますが、最上階で少し大きい空間を作ろうとすると火打ちが必要となる。
このような問題点が出てきたり、実際に木造で、より開放的なものを作ろうとするとラーメン工法があるが、現在は確認申請を通すのに時間がかかるというハードルがある。
普通に住宅で使用している技術を組み合わせ、大空間を実現することで木造化を推進することができると考えています。住宅用の技術で大空間を確保するためには、グレー本の詳細計算法を使うことによって、高倍率の耐力壁や水平構面を使っていく方法を提案してきた。あるいは、同じラーメンであっても、特殊でなくプレカットでできる引きボルト式ラーメンを確立することで、広く普及することで、変わっていくのではないかと考えている。
このような中、今日の建物はこれらの典型的なモデルであると感じた。
まさに、住宅生産の技術と施工に詳細計算法を取り入れることで、中規模、かつ、坪60万をきる価格で実際に作ったということで、非常にすばらしいモデルケースと言える。詳細計算法を併用することで、これだけのことができるということが示せたことは非常に大きな成果といえる。」
先生のスピーチをお聞きするうち、このプロジェクトの成果に対する不安がだんだんと自信へ変わり、さらに期待となり、広く普及していこうという事業姿勢への勇気が湧き上がりました。同席された多くの木造住宅技術者も同じ気持ちだったのではないでしょうか。
なお、インテグラルでは、今秋、木造建築物の技術交流を目的とするユーザー組織「すまいの安心フォーラム 許容応力度クラブ(仮称)」を設立する予定です。
完成見学会でも、詳細計算法について、東京大学大学院木質材料学研究室の博士課程山口和弘氏(木質構造デザイン工房)に特別講演をしていただきました。実例を通して、非常にわかりやすい説明で、中規模木造建築物への適用と応用の可能性を示していただきました。
このような、学術的な見地を踏まえた構造設計について、勉強できる機会を提供していきたいと考えています。
このブログをご覧になられている方で、これまでは住宅をメインで行っていたが、中規模の木造建築に取り組んでみたい、あるいは、構造設計に許容応力度詳細計算法を使ってみたいなど、興味をお持ちの方は、ぜひ、弊社へお問合せください。
日本の伝統的技術の一つである木造建築技術を中規模建築に活かしていく流れを、インテグラルとご一緒に作っていきませんか?
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