2012/2/22、国土技術政策総合研究所(茨城県つくば市)で行なわれた
「木造3階建て学校の実大火災実験」を見学してきました。

実際の学校と同条件とするため、約3億円かけて作られた木造3階建ての校舎に
火をつけて、火や煙の動きなどを確認する実験です。
校舎は工法による違いを把握するため、軸組工法と枠組壁工法を組み合わせた
仕様となっています。
また、一部を防火壁で区画分けを行い、防火壁の有効性を検証していました。
▼参考資料
『木造3階建て学校の実大火災実験(予備実験)の実施について』
http://www.nilim.go.jp/lab/bcg/kisya/journal/kisya20120126.pdf

1階中央の部屋(職員室)を出火元として実験が開始されました。
実験開始数分で隣の部屋や2階3階に燃え移り、約30分後には防火壁で区切られた
区画にも火が燃え移りました。
この規模の火災を初めて間近で見ましたが、放射熱が非常に熱い!
現場の警備の方からも数歩下がって見学してくださいとアナウンスが流れていました。

実験開始から約2時間で全焼・倒壊して実験終了となりました。
今回の実験結果をもとに、来年度(平成24年)に基準化を想定した仕様による
実大火災実験を行なうそうです。
■実験結果(速報)
早稲田大学理工学術院の長谷見雄二教授より、
「(建物の軸組の崩壊が)火の海になってから約1時間なので、構造として一応の性能がある」
とのことでした。
「公共建築物等における木材の利用の促進に関する法律」の施行により、
建築材料として、木材の利用を促進するためには、火災による影響をしっかりと
把握する事が重要です。
木造建築物の動向について、今後も注目していきたいと思います。